"いつか"のまま、頭の中で温めている町があります
このサイトを書きながら、自分でも気づいていることがあります。
「2拠点生活したい」と言いながら、具体的にどこに、ということを、私はまだ決めていません。決めていないどころか、頭の中には「いつか行きたい」と思っている町がいくつもあって、どれも甲乙つけがたいまま、もう何年も経っています。
別の記事にも書きましたが、30歳のときオーストラリアで11ヶ月、毎日サーフィンをして過ごしました。仕事はそこそこ、お金もそんなに使わず、海と空と一緒に生きていた感覚。あの感覚を、もう一度取り戻せるかもしれない町を、私はずっと頭の中で温めています。
今日は、その5つを正直に書いてみます。シミュレーターで月額コストを試算できる町に絞って、なぜ気になっているのか、それぞれの理由を添えて。
「いつか行きたい」を声に出さずに抱えている町、あなたにもありませんか。
1. 静岡県・熱海市
熱海は、私にとって"逃げ場"のような町です。
旅行で何度も行きました。新幹線で東京駅から40分。気がつけば海の見える温泉宿にいて、夕食のあとは何もしない時間がある。あの「移動の軽さと、到着後の落差」が、熱海の魅力だと思っています。
近すぎて、いつでも行けると思っている。だから、かえって2拠点の候補としてはずっと検討中のまま。
ただ、考えてみれば、近いというのは本来、強みです。週末東京族をやるとすれば、地方拠点から東京への往復が頻繁になる。その意味で、新幹線で40分の距離は、ほぼ反則級の近さです。
そして、熱海に拠点があれば、サーフィンもできます。少し車を走らせれば、伊豆半島のいくつかのポイントに出られる。温泉に入って、海にも入れる。考えてみれば、こんなにバランスのいい町は珍しい気もしてきました。
近すぎて、逆に踏み出せていない。それも"いつか"の正体かもしれません。
熱海のコストをシミュレーターで試す
2. 千葉県・銚子市
銚子は、私にとってサーフィンの記憶と結びついた町です。
近くの飯岡(いいおか)というサーフスポットに、よく通っていました。ボードを車に積んで、早朝に出発して、午前中はずっと海にいる。あの時間は、東京での日常から完全に切り離された時間でした。
オーストラリアでの記憶と、いちばん地続きにある町かもしれません。毎日サーフィンができるわけではないかもしれないけれど、海が近くにあって、波が良ければ海に出られる。それだけで、人生のリズムは変わります。
銚子という町自体には、海産物の豊かさや、独自の街並みもあります。ただ、私にとっては「飯岡のあるあたり」というのが、いちばん正直な動機です。
そういえば、オーストラリアにいた頃、ゴールドコーストで飯岡のローカルの方に出会ったことがありました。日本から遠く離れた海の向こうで、自分が東京から通っていた海の話で盛り上がった。あの時間も、不思議な記憶として残っています。失礼ながら名前を覚えていないのですが、あの方は今、どうされているんでしょうか。海の縁というのは、ときどき思いがけない場所で人と人をつなぎます。
海の近くに住むというのは、 たぶん人生の輪郭を変えることです。
銚子のコストをシミュレーターで試す
3. 茨城県・日立市
日立も、サーフィンで通っていた町です。近くに高萩(たかはぎ)というサーフスポットがあって、銚子よりさらに北の海に、何度か足を運びました。
正直に書くと、日立という町自体については、まだ知らないことの方が多いです。ただ、サーフィンができて、東京から特急で2時間ほど。海と山が近くて、生活コストもそれなりに抑えられる。そういう条件で考えると、候補から外せない町です。
サーフィンを軸に2拠点を考えると、銚子か日立、もしくはもう少し南の千葉のどこか。それくらいの解像度で、いまは候補地を眺めています。
正直に書くと、本当の理想は、一年中サーフィンができる常夏の環境です。ハワイとか、オーストラリアの一部とか、ああいう場所。ただ、東京も捨てられない私にとっては、それは現実的じゃない。となると、東京から最短で行ける常夏ってどこなんだろう、というのが、最近の頭の片隅にある問いです。たぶん、まだ答えは見つかっていません。
行く理由が一つあれば、たぶん十分です。 私の場合、それは海でした。
日立のコストをシミュレーターで試す
4. 千葉県・館山市
館山は、サーフィンの町ではありません。むしろ、湾の中にあって、波は穏やかです。
それでも候補に入れているのは、ちょっと個人的な理由があります。子供のころ、千葉県の竹岡というところに住んでいた時期があって、館山には学校の行事や家族旅行で何度も行きました。海の景色、トンネル、海岸沿いの道。そういう細かい記憶が、いまも頭のどこかに残っています。
大人になってから、もう一度住むなら、ということを考えるとき、なぜか館山がふっと候補に上がる。理屈じゃないんです。
そういえば、館山市坂田というところには、フリーダイバーのジャック・マイヨールが晩年に暮らした別荘があった、と聞いたことがあります。映画「グラン・ブルー」のモデルになった、あの人です。世界中の海を見てきた人が、最後に選んだ町の一つが館山だった。これは偶然なのか、それとも館山という土地に何かあるのか。私には分かりませんが、その話を聞いてから、館山のことが少し違って見えるようになりました。
たぶん、誰にでも「理屈じゃない町」があるんじゃないかと思います。論理的に選ぶ町と、心が選ぶ町は違う。両方あっていいし、両方を試してみてもいい。
理屈じゃなく、なぜか心に残っている町。 そういう町こそ、案外大事かもしれません。
館山のコストをシミュレーターで試す
5. 栃木県・那須塩原市
那須は、私にとって"食"の記憶の町です。
車を持っていた時期、那須にあるグルマンズ和牛というステーキ屋さんが好きで、よく通っていました。週末に運転して、ステーキを食べて、温泉に入って帰ってくる。それだけのことなのに、なぜか何度でも行きたくなる町でした。
那須塩原のあたりは、自然が豊かで、食事が美味しくて、温泉も近い。条件としてはほぼ理想的です。ただ、正直に書くと、冬は寒いんです。これは私には地味につらいポイントで、本気で考えるたびに、ここで一度立ち止まります。
それでも候補から外せないのは、那須に通っていたあの時間が、私にとって幸せな記憶として残っているからです。寒さに耐える価値があるか、それとも別の温暖な町を選ぶか。これは、これからゆっくり決めることです。
記憶のある町は、未来の候補地としても強い。 通った時間は、無駄になっていないということです。
那須塩原のコストをシミュレーターで試す
5つの町を眺めながら、思うこと
並べてみて気づきました。5つのうち3つに、海かサーフィンが関わっています。
たぶん私は、海の近くに住みたいんだと思います。オーストラリアでの記憶が、20年以上経っても、こうやって候補地の選び方に滲んでくる。あのとき感じた"自分でいられた感覚"は、海の近くに住むことで取り戻せるかもしれない、と心のどこかで思っているんです。
これは、私の場合の話です。あなたの場合は、たぶん別の軸があります。山かもしれないし、温泉かもしれないし、食かもしれない。でも、たぶん共通しているのは、「行きたいけれど、まだ行けていない町」が頭の中にいくつかあるということ。そして、その町について、月にいくらかかるかという数字を、まだ見たことがないこと。
コストシミュレーターで、自分の気になる町を試してみてください。今日紹介した5つの町は全部入っています。数字を見るだけで、"いつか"が少し現実の輪郭を持ち始めます。
"いつか"を抱えたまま生きるか、数字を見てみるか。 後者の方が、たぶん一歩前進です。
あなたの"いつか"の町は、どこですか。
