このサイトを書いている人間について、少しだけ
このサイトを書いているのは、東京で働く53歳の人間です。
正直に言ってしまうと、50歳を過ぎても、やりたいことをやれていない側の人間です。「いつかね」「いつか落ち着いたらね」「いつか時間ができたらね」と言い続けて、気づけば20年が経っていました。
そんな人間が、なぜ2拠点生活を提案するメディアを作ったのか。
今日は、その話を少しだけさせてください。たぶん、同じように"いつか"を抱えたまま生きている人にとっては、まったく他人事じゃない話だと思います。
「いつか」を口にした回数と、実際に動いた回数。たぶん、まったく一致していません。
30歳のとき、私はオーストラリアにいました
20年以上前の話です。
30歳のとき、ワーキングホリデーでオーストラリアに行きました。11ヶ月ほどの滞在でした。毎朝海に行ってサーフィンをして、夕方まで仕事をして、そんなにお金も使わずに、夜は早く眠る。それだけの生活でした。
派手なこともしていないし、特別な経験をしたわけでもありません。ただ、不思議なことに、あの半年は人生で一番"自分でいられた"時間でした。
帰国して20年以上が経ちましたが、あの感覚は今でも忘れたことがありません。何かに追われずに、誰かと比べずに、ただ自分のリズムで一日を生きていた、あの感覚です。
あのとき自分は、たしかに自分の人生を生きていました。
たぶん、同じように人生のどこかに"忘れられない時間"を持っている人は、けっこう多いんじゃないかと思います。学生時代の旅、留学、転職前のしばらくの空白。何かに追われていなかった、あの感覚。
53歳になって、見えてきたこと
帰国してから20年以上、東京で働いてきました。
東京は、本当に楽しい街です。美味しいものはいくらでもあるし、面白い人にも出会えるし、刺激は尽きません。仕事も嫌いじゃないし、東京で過ごした時間に後悔はまったくありません。
ただ、ある時期から気づいていました。楽しさに巻き込まれているうちに、"自分の時間"がいつの間にか減っていることに。気の合う人と飲むのは楽しい。でも、つい飲みすぎる日が続いて、翌朝「また今日も自分の時間がなかったな」と思うことが増えていました。
テレビで「週末、軽井沢でのんびり過ごしてきました」と語る人たちを見ます。別荘族と呼ばれる方々です。
すごいと思います。あれは努力と行動力の結晶で、純粋に尊敬しています。お金を稼ぐのも、別荘を持つのも、毎週末そこまで移動するのも、全部すごいことです。
ただ、自分にあのアクティブさはない、ということも、はっきりわかってきました。金曜の夜に渋滞の中央道を走るのも、別荘の管理も、たぶん私には向いていない。
自分に合う生き方は、たぶん人と同じじゃないんです。
アクティブな道は、私の道じゃなかった。それが50代になって、ようやく見えてきました。
自分に合う方法を、ようやく見つけました
完全に田舎へ移住する決断力も、毎週末アクティブに遠出する行動力も、私にはありません。
じゃあ何もできないかというと、そうじゃないんだと、ある日気づきました。逆にしてみればいいんじゃないか、と。
平日はのんびり地方で暮らして、週末は東京で楽しむ。移動は週に1回で済みます。アクティブじゃなくてもできる配置です。
平日に、ゆとりがある。朝、鳥の声で目が覚める。夜、静かに過ごす。週5日、ずっとそういう時間が続く。そして週末は、東京の友人や好きな店や気になっていた展示に会いに行く。たぶん私には、こちらの配置の方が合っています。
考えてみれば、これはオーストラリアでの暮らしに、少し似ているのかもしれません。毎日海に行って、仕事はそこそこにして、お金もそんなに使わない。あのときの感覚を、今の自分のペースで取り戻す方法が、たぶん週末東京族という配置です。完璧に再現することはできないけれど、似た形にすることはできる。
完璧な誰かに合わせるんじゃなく、自分のペースで、自分のリズムで、生き方を組み直す。20年抱えてきた"いつか"が、ようやく現実の輪郭を持ち始めました。
"いつか"が現実になるのは、自分に合う方法を見つけた瞬間からです。
このサイトは、動き始めた人間の記録です
このサイトは、ようやく動き始めた人間が作っています。
正直に言うと、まだ実際に2拠点生活は始められていません。完全に"これから"の人間です。家も借りていないし、行き先も決めきれていない。ここまで偉そうに書いてきましたが、私自身もまだ"いつか"の側にいます。
でも、だからこそ書ける記事があると思っています。
「もう実現しました!最高ですよ!」と語る達人のメディアではなく、「これから一緒に始めませんか」と隣に立つメディアにしたい。同じように"いつか"を抱えている人と、考えたり、試したり、迷ったりしながら、一歩ずつ進んでいきたい。
実践済みの人が書いた完璧なノウハウは、世の中にたくさんあります。でも、まだ動けていない人間の視点から書かれたものは、意外と少ない。同じ高さの目線で書ける時期は、たぶん今だけです。これから自分が実際に2拠点生活を始めてしまったら、もう"これから始める人"の気持ちは、少しずつ薄れていくでしょうから。
最初の一歩として、コストシミュレーターを作りました。希望する地方エリアと、東京に行く頻度を入力すると、月額の目安がわかります。「自分の場合、いくらかかるんだろう」を確かめるところから、たぶん全部が始まります。私もまずは、自分自身が試したくてこれを作りました。
50歳を過ぎても、やりたいことをやれていなかった人間が、それでもようやく動き始めた。そんな記録を、一緒に作ってもらえたら嬉しいです。
諦めずに動き始めた人間の記録を、一緒に作ってくれませんか。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。これから、よろしくお願いします。
